小詩集【レトロな猛毒】side.A/千波 一也
 
かとても似ています

 ただなんとなく
 否めてはみるけれど

 ふと
 きみを懐かしむのは
 未練でしょうか


目の前の誰かに
幸せの顔が灯るたび、
夕日はあかく
なおあかく

成り立つものに謝るさなか
その背はあすを迎える為にだけ
ただ、




三、鬼


あのひとの喜びを
多分に私はわかっているから
悲しませるすべも
知っている
おそらく

このまましばらく冷まそうか
それともここらで
温めようか

私、怖いかも知れない

あの手
この手で
あのひとに
触れて、いたくて
ただそれだけなのに

愛しければ
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