小詩集【擬人絵図】/千波 一也
 
ために
重ならず

わすれるすべを
置き去りに


こころに染み渡るものは
微笑をたたえて

幾度も繰りかえすことが
すれ違い

おかえりなさいは
いつもある


きらきら光るそれぞれを
いとわないのが
潤いのみず

ときに冷たくもあるけれど
その身も川なら
ひとつの
川なら

はるかに続くしきたりを
あふれて砕け


ひとは背中を離れない
あるいは常に
かえりつく

もっとも深く、
ランダムに









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