小詩集【擬人絵図】/千波 一也
 

吹かれるだけの、
無表情

ときおり
風につられて
うたいもするが
聴かせあぐねて疲れ切っている

孤独とはぐれて
ただよって

歓迎とも
決別とも
取れるかたちで
ただ、風に




五、惑星


この星には喜びが溢れていると
わらう君の目は
泣いている

この星には悲しみが渦巻くと
ささやく君の手は
爽やかだ


満天の星空はきれい

僕に解けない謎なんて
まだまだ幾つも
あるからね


さようならを待っていた
避けていたのは
こんにちは

鏡よ鏡、そこに
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