小詩集【擬人絵図】/千波 一也
思いやりさえ
まぼろしと消す
すべての
すべに
こたえることをまずは預けて
ごまかすことに慣れなさい
それほどかたりはたやすくて
すぐにもかたちはいたむのです
ひとごと世ごとに
むずかしく
二、とらわれの蛇
それは髪ではなかった
すがりつけない言葉でも
寄りかかり続けた、
矛盾
まもるわけでもなかった壁が
ひび割れようとしていることに
わけもなく怯えて
臨月は、皮肉
あまりにも目を避けたから
あこがれて
落ちた、のかも知れない
潔白に、
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