真夜中の子猫/
りゅうのあくび
からだに
そって丸くなり
かたわらで
夢とうつつのあいだ
きっと何かを意味する
発掘されずにのこった
文字盤の石に写る
象形文字みたいに
謎めきながら
静かに沈黙していて
王墓の横にすわる
スフィンクスの
小さな寝息は
夜の砂漠には見えなくなる
蜃気楼にゆらぐ
昨日のオアシスみたいに
そこからはもう
何も聴こえてはこない
消えてゆく黒い音
まなざしの中で
そっと消えてゆく世界
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グループ"猫詩集"
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