海の記憶とコーヒーと/深水遊脚
 
きっかけは女の子がいれた一杯のコーヒーだった

「エスプレッソが苦いって誰が決めたの?」
その余韻は記憶となり小生意気な声で
私を侵食して何かを変えた
その時感じたフルーツのような新鮮な酸味を
自分でも作り出したくて買い求めた
コスタリカ エルジャーノ ハイロースト

想像していた通り
木の実をついばむ小鳥が
きっと味わっているであろう酸い味がした
ミルクパンで氷風呂を作り
木の実の味のコーヒーを注いだカップを浸けて冷やした
夏っぽいコーヒーを誰かと飲んだならば
「アイスコーヒーが苦いって誰が決めたの?」
そんな声ひとつ投げてみようか


詩のふりをした言葉が
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   グループ"コーヒー・アンソロジー"
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