【批評祭参加作品】いい仕事の核/深水遊脚
 
万人に5人のおまえの素質を守るために世俗的な仕事を投げ出して、さびしさで音を作り、侮蔑や窮乏を噛んで歌え」というメッセージにとってしまえば私との接点はない。でもこのように解釈して、自分と関係がないと思ってよいものではないのかも知れない。師匠が予言し、批判したのは、足を止めて腰かけから動かない生き方なのかもしれない。それはそれで、立ち止まることが本当に必要な人を無視した叱咤のように思えるが、師匠とはときに理不尽なもの。まとまりがないけれど、師匠の視点で語られたこの詩から私が受ける印象は、反発と、それを乗り越える解釈との間を行ったり来たりしている。
 いい仕事をしようとして何をすればよいのか。師匠の
[次のページ]
   グループ"第5回批評祭参加作品"
   Point(4)