喫煙のこと/はるな
ある(あるいはする必要がない)と感じること。
愛煙家だった件の祖父は、わたしが13のころに死んだ。病気で、わたしの自宅で。父が祖父母を家に呼んで、さいごを自宅で看取った。そのころ、帰宅部だったわたしは、共働きの両親と、受験勉強で忙しい妹と比べて、家族ではいちばん時間の融通がきいた。学校からかえると祖父の寝ている部屋で過ごしていた。
祖父はよくわたしにたばこをせがんだ。わたしは三回に一回程度の割合で、それをわたした。そうすると祖父は、はるなは優しいなあと喜んで、ゆっくりとたばこを吸った。わたし以外の家族に、祖父がたばこをせがむところを見たことはない。父親がたばこを処分しているところをみたこと
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