「名」馬列伝(23) レガシーワールド/角田寿星
 

彼のことを一言で評するなら、一般には「日本史上最強のセン馬」だろう。異論はない。
気性難を解消するための去勢は、種牡馬への道を閉ざされるため勇気がいるが、彼の場合は成功した。
が、筆者は彼のことを、「ものすごく強いヤラレ役」と評したい。
いわゆる、強すぎてG1まで勝ってしまった、ヤラレ役である。
とにかくライバルに恵まれ、しかも自分の力を最大限に発揮して、勝ったり負けたりしてきた。

最終直線、併せ馬のようにゴールに流れ込んだセントライト記念。
マッチレースを演出したライスシャワーの、その後の活躍は言うまでもないだろう。
菊花賞の裏レースとも言われた頃のドンカスターS。相手は未
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