2006 04/12 02:18
佐々宝砂
小松左京「くだんのはは」タイプの件(くだん)になっていた。知らない人のために書いておくと、古来の件は身体が牛で頭が人間、「くだんのはは」タイプの件は、頭が牛で身体が人間。未来を予言してその後死ぬというのはどちらにも共通。
で、件であるところの私は、東西妖怪大戦争(w)に参戦しており、学校の妖怪を守るべくどっかの小学校にいるのだが、西洋の妖怪の大群に襲われ撤退を余儀なくされる。トイレの花子さんとあとなんだかわからん日本の妖怪と一緒に逃げたところを、校門近くで黒装束の西洋妖怪(何者かは知らぬ)に呪いの言葉とともに辞書を投げつけられ、おまえたちはもう校門から出られない、といわれる。そんなことはない私にとって辞書は親しい友人だ、と考えた私のみが校門から逃げ出せた。
一人で道路をうろうろして、公園に入り込む。公園の樹木の陰にカーテンがあり、逃げ込むと東洋妖怪のアジトがあった。ああよかったこれで助かる、とほっとしたところに、私のあとを追ってきた西洋妖怪軍がアジトに襲い掛かる。予言能力のある件を捕虜にしたいというのが西洋妖怪軍の言い分で、私は捕虜として差し出されてしまった。
赤い振袖着た両手を捕縛され、とぼとぼとつれてゆかれた先に、頭に二本角の男がいた。やい牛女、とそいつが言った。俺が何者かわかるか? わからないと答えたら、そいつはいきなり私を抱きしめて泣き出した。俺はミノタウルスだとそいつは言った。同じ血だ、同じだ、同じなんだなぜわからないと叫びながら、ミノタウルスは私を縛めていた縄をナイフで切り、さらに私の腕に何条もの傷をつけた。血がたらたら出た。痛くないのが不思議だった。