2006 02/20 19:58
日和
３年前、私は女性と付き合っていた（しかも遠距離恋愛）。
同性であることのうえに遠距離恋愛ときて、思い悩むことはとても多かった。
しかし、辛いことがあっても誰にも相談できず、
布団の中でひとり枕をグショグショに濡らしたりすることもたびたびあった。
好きすぎてまともに喧嘩もできず、（言い方悪いけれど）良いように振り回され、
解っているのに別れられず…、その繰り返しでかなり自暴自棄になっていた。
そんな時、出逢ったばかりなのに、こんな私の話を黙って聞いていてくれた男性がいた。
最初は「彼氏のことなんですけれど」と嘘を吐いて話を聞いてもらい、
しばらく経って「実は彼女なんですけれど」と打ち明けたのだけれど特に驚いてはいなかった。
私が泣きながら話をした時も、激怒しながら猛烈に話をした時も、
ばかみたいにウハウハしながらノロケ話をした時も、
落ち込みすぎて普段から小さい声が更に小さくなりながら話をした時も、
「別れる…もう別れる…別れるううぅう！」と自暴自棄になって話をした時も、
ただただ黙って「うん、うん」と頷いて話を聞いてくれた。
ただ私が愚痴りたいがために突然呼び出したときも、急いで走って来てくれる人だった。
私が、自分勝手ながら「貴方が怖くなったので会いたくない」みたいなことを言ってドタキャンした時も、
決して怒るでもなく、私が怖くなくなるまでそっとしておいてくれた（約２ヶ月）し、
私がまた突然に愚痴を聞かせようと呼び出した時も、何事もなかったような顔でミスドに現れた。
そんな彼は私に片想いをしていたらしい（後々聞かされた）。
私は彼の気持ちを知りもせず、１年もの間、ノロケたり愚痴を言ったりしていた。
また彼も、私にその気持ちを打ち明けることなく、黙って話を聞いてくれていた。
そのなかで、私はどれだけ彼を傷つけていたろう。
そんな彼に本来なら先に「ごめんなさい」と言うべきなんだろうが、
彼は私のことを好きでいてくれたうえで話を聞いてくれていたのだし、
彼は謝ってもきっと嬉しくないと思うので、まず「ありがとう」を言いたい。
あの時はありがとう。いっぱいお世話になりました。
そして、同じくらいにごめんなさい。
今になってようやく、私はそんな彼に片想いをしている。
私じゃ幸せにできないけど、どうか幸せになってほしいと心の隅で思いながら。
いつか、きちんと面と向かって言いたい。
「ありがとう」。