しりとりの詩 2nd[891]
2013 10/27 20:55
mizu K

店内をあっちこっちそこここと漂うのはデメキンで
入口のドアから奥の鏡までぷかぷかぷかと
テーブルまわりをうろうろうろ
厨房の火に燃やされかけて
まな板の上の金魚を演じ
水回りにたわむれて
シーリングファンに体を輪切りにされかけたり
客のスカートにもぐりこんだり
踏まれたり(うれしそう)
金魚のぱくぱくとする口から吐き出されるのは
だれも知らない素数のガラス玉
エヴァンスの流れる店内にふわふわ浮遊して
ラファロのベースにふるえて
つたわる響き
テーブルの表面を滑って
比喩に満たされた
だれかのコップがゆっくりと床に落ちていく
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