しりとりの詩 2nd[879]
10/01 14:16
ミツバチ

わたしは岸辺にうちあがる
今にも息絶えそうに
弱々しく動いて
必死にしがみつく

思えば水の中は良かった
何もかもが自由で
すべてが自分の思うがまま


何を手放したかったのだろう
何故やめてしまったのだろう
渇きゆく肌に苦しみながら
歩き方だって知らないのに


右も左も分からない場所で
得たものは人の足だけ
呼吸の仕方も分からないまま
自問自答を繰り返す


確かにこのままでは
いけないと思った
変わらなければと
だから私はこうして
大きな一歩を踏み出したはず
でも住み慣れた故郷を
思い
涙する日々


肌に覚えている
水の感触にもがきながら



今は産まれたての
赤ちゃんのように
後悔と期待の間で
前を見据えている
スレッドへ