しりとりの詩 2nd[803]
01/31 05:02


透明な瓶の中で
同じように歩く人々
注ぎこまれた海の欠片を
そっと拾いあげては
どこか遠くを見ている

時折世界は大きく揺れて
転がったり逆さになったりするけれど
まだ割れたことはない
誰かの視線を常に感じながら
また歩き また拾い また想う

皆が何故歩くのか知らない
それでも共に歩くのは
なんだか心地良いことのように思える
辿り着かないことの喜びを
自分だけは知っている

コルクの栓が世界に落ちて
随分長い時が流れた
誰もそれを見つけることはなく
その意味もやがて無くなった
透明な瓶の中で
今日も彼らは歩き続けている
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