しりとりの詩 2nd[763]
2010 08/03 22:59
クローバー

いずれ海にたどり着くのさ、と流木が言う
引っかかったのも多生の縁、と岩が言う
言葉は川に流れ、ふやけていく
柔らかくなったものを、小さいものが口にする
膨らんだ頬が赤い、体温が上がる
流木の陰には、イワナの親子が隠れ
水面をレンズにした映画を見ている
ポップコーンを頬張っている
完結しないのだからいっそ傍観すればいい、と岩が言う
大切なものは同じなのになぜか対になっている
と、イワナは胸ビレで頭を抱える
白紙の手紙になりたかった、と流木が言う
言葉は川に流れ、ふやけていく
柔らかくなったものを、小さいものが口にする。
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