しりとりの詩 2nd[539]
2009 08/19 11:17
たもつ

 
寂しい電話回線の中を
ひとり歩く
しばらく混線が激しくなります、と
電話会社から通知があったばかりだった
途中、水溜りのような小さな海があって
ちゃぽちゃぽと水遊びをする
ふやけた体が
どことなく透きとおって見える
脱水症状を起こし
道端で動けなくなっていた犬を
手押し車に乗せて再び歩き始める
会いたい人がいた
会ってどうするわけでもないけれど
たぶん、どうもしないと思う
誰が生きているのか
もう見当もつかなかった
 
 
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