しりとりの詩 2nd[306]
12/08 01:53


黒い馬
雨のグラウンド
響いている音
蹄の中に生まれる
静かな休み時間

誰かの背中はいつも多弁で
信頼には程遠い
黒い馬は一日中
誰も乗せることなく走り続ける

僕は聞いている
椅子に座ったまま
視線を窓の外へ向けて
何も見ない
誰かの声が体をすり抜ける


帰りたい
と僕は思っていて
蹄の音がまた
グラウンドを一周する
帰りたい
と僕は思っていて
いつ外へ出たのかを知らない

休み時間は終わらない


そこにつながったのは
どんな昨日だったのだろう

全ての黒を夜が染めて
朝までの時間を騙す
蹄は足跡を残さず
音は遠ざかることを知らない


気が付くとまた
誰かの声はどこかへ帰り
休み時間が続いている
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