しりとりの詩 2nd[112]
2005 11/11 23:16
蒼木りん

立派な母には意地があり
切迫していました
そして愛がありました

大人には
見栄とか
偏見とか
伝統とか
なんだか
のっぴきならない事情があるのです

立派な子どもには度胸があり
強迫観念がありました
そして愛がありました

ひと時の
安心を得るための安心を
ちいさな頭と身体で
精一杯
示し
提供していたのです

ふたりともに
高く高く昇るりつめるほど
危うくて崩れやすく
中身はボロボロなのでした

それはそれで
生きる意味なのでした

立派でない母は
立派でないことの意味を
正当化することもできずに開き直るのでした
ときに
逆切れします
逆切れは
癖になります

立派でない子どもは
立派という張りぼての後ろから回り込み
立派の看板を倒すのでした
大人になるにつれ
そんな自分を
駄目な人間と思ったり
一生けんめい正当化したり
ゆらゆらしているのでした
スレッドへ