しりとりの詩 3 [48]
2016 11/05 10:55
るるりら

風廟

絶えることない一本の川は 銀に光っていて
平原に道を与え木造の風廟は建っています
門構えから硝子張りで庭もすっぽりと守られ  
敷地の外は吹雪だというのに館は小春日和 

中では、七輪で秋刀魚が焼かれております
五右衛門風呂がもくもくと煙をあげてます
中では白い顔した人々の 透明なほほえみ
七のつく日には外の様子を見に行くのです

外に行くには昔の人々が初めて月にいった
宇宙服に似た重装備の服装で 出かけます
空気も水も館の中とは違うから無生物世界
鳥もいません 魚もいません 獣もいない

贅沢な人々だけが
生き残り ほかの星の薪で火をおこし
ほかの星の生き物を喰らい
火を眺め 培養された生を生きるのでした
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