2017 07/02 02:16
ハァモニィベル
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「10年かけて書かれた詩」
ハァモニィベル
書くのに10年かかる詩を書きはじめていた。
書き始めた《いま》、
どうして〈それ〉が、
10年かかると、いや、10年しかかからないと
書き始めたばかりの私などに
解ると
いうのだろうか?
また、
それが、
10年だけの歲月なのだと
いうことが。
はじめて訪れた日は、いつでも 何かがよく分からないものだ。
たのしさ や、くるしさ だけで
10年という
歳月を費やして書かれる一篇の詩は、
何かの媒体には書かれたりしない
ぼくの心のなか,
それは、
書かれた。
いち日いち日
一週間の そして
ひと月、ひと月・・・
いち年 そして またいち年の、
日々と歲月で
いっしょに作った思い出が
すべて
詩になって
ぼくの心に書かれている
ある猫の一生を書いた
10年の詩になって
《いま》 も
*