【petit企画の館】/蝶としゃぼん玉[402]
2017 06/06 04:01
ハァモニィベル



流れては消える 意識の先端に そっと置かれている 控えめな笑顔

れんらく帳というわけの解らないノートを毎日ランドセルに入れていたりした

てきとーに飲み込む心の余白のこと

はみ出した朝日が夜の瞼を押し開けてゆくこと


まるでこのままでいいよ、というような日射し

たぶん睫毛はそれに逆らい、街とは異質な閃きに佇む

もう少しで、空間を意味によって織り成してしまいそうになる

とてつもなく低い笑い声の、それでいてかなり高身長の駱駝に跨り

もっとずっと遥かな もっとずっと

とおく

へ・・・・・・と、佇んでいること


繰り返してゆくのは何故? 無価値なものばかりを

リアルなサバイバル=市場原理の渦, 流れていくのは代替可能な一点モノばかり

かりそめの流行に眼が眩まなくてすみません

へつらいの点数が低くてすみません

るすがちなこと、お詫びします。


渦の中で、跪ずきひれ伏すのも、愛する人になら容易い

にじむほど暴露されてしまう燃えたぎる核心と触れ合いたい

漂泊するこの居場所のない主体を埋め立てるこの場所に咲く

ふうわりと秘した苦悶の花


わき上がる繋がりの感覚は安堵のぬくもり

がんじがらめの仮説を用いて組み立てられ塗装され排除される

運ばれてゆく明日というサイクル

命は徹底的に力を尽したのに、弱々しい花のように置き去りになる

かなり遠くへと佇んでいること

なつかしくも無い安堵を探して




各一行詩の文頭をタテに見ると
>流れてはまたもともとへ繰りかえる渦に漂うわが運命かな(青木繁『うたかた集』より)

#青木繁は、明治の洋画家です。
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