2017 06/06 04:01
ハァモニィベル
*
流れては消える 意識の先端に そっと置かれている 控えめな笑顔
れんらく帳というわけの解らないノートを毎日ランドセルに入れていたりした
てきとーに飲み込む心の余白のこと
はみ出した朝日が夜の瞼を押し開けてゆくこと
まるでこのままでいいよ、というような日射し
たぶん睫毛はそれに逆らい、街とは異質な閃きに佇む
もう少しで、空間を意味によって織り成してしまいそうになる
とてつもなく低い笑い声の、それでいてかなり高身長の駱駝に跨り
もっとずっと遥かな もっとずっと
とおく
へ・・・・・・と、佇んでいること
繰り返してゆくのは何故? 無価値なものばかりを
リアルなサバイバル=市場原理の渦, 流れていくのは代替可能な一点モノばかり
かりそめの流行に眼が眩まなくてすみません
へつらいの点数が低くてすみません
るすがちなこと、お詫びします。
渦の中で、跪ずきひれ伏すのも、愛する人になら容易い
にじむほど暴露されてしまう燃えたぎる核心と触れ合いたい
漂泊するこの居場所のない主体を埋め立てるこの場所に咲く
ふうわりと秘した苦悶の花
わき上がる繋がりの感覚は安堵のぬくもり
がんじがらめの仮説を用いて組み立てられ塗装され排除される
運ばれてゆく明日というサイクル
命は徹底的に力を尽したのに、弱々しい花のように置き去りになる
かなり遠くへと佇んでいること
なつかしくも無い安堵を探して
*
各一行詩の文頭をタテに見ると
>流れてはまたもともとへ繰りかえる渦に漂うわが運命かな(青木繁『うたかた集』より)
#青木繁は、明治の洋画家です。