2016 10/09 18:07
ハァモニィベル
石村さん 作品(
>>220 )ありがとうございました。
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まだ手探りですが、
わたしは、李白の漢詩を取り上げて書いてみます。
忠実な翻訳でも個性差が出る例として、
日夏耿之介と井伏鱒二の訳を参考に付記してみます。
最後が、私の作品です。
※
■(原典:漢文)
静夜思
李白
―→
牀 前 看 月 光
疑 是 地 上 霜
挙 頭 望 山 月
低 頭 思 故 郷
(書き下し文)
牀前、月光を看る。
疑ふらくはこれ地上の霜かと。
頭を挙げて山月を望み。
頭をたれて故郷を思ふ。
[語注]
牀 ……ベッド(寝床)
○解釈上、月光は室外なのか室内なのか
意見が別れるが、あえて「地上の」と
あるのだから室内に射したものと私は解す。
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静夜思
(日夏耿之介の訳)
牀のへに月かげけざやかだ、
地に霜が降りたかとも感ぜられる、
頭をあげてみ山の月をみる、
頭をたれてふる里をおもふ。
※
(井伏鱒二の訳)
ネマノウチカラ フト気ガツケバ
霜カトオモフ イイ月アカリ
ノキバノ月ヲミルニツケ
ザイショノコトガ気ニカカル
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■(ハァモニィベルのマリアージュ)
白い月の落葉 (静夜思)
白い 月の落葉が
いく時も
降り散る
夜.
果てしもなく
埋もれてゆく
光の
孤独.
故郷であの日 掌に吐いた息のように
寒く、慄えて
深い底に さだめないまま
沈み埋もれた
哀しみの
凍る裸体.
※
五言絶句(5文字4行構成の詩)をソネット(十四行詩)にしましたが、
この作品の場合は、忠実に訳さない方向になんとなく誘われてしまい
パスティーシュも超えたマリアージュ(超リプロデュース)になりました。
(因みに、この言葉は文芸用語でなくグルメ用語を私が転用して使っているだけです)
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