【petit企画の館】/蝶としゃぼん玉[137]
2016 08/23 13:31
ハァモニィベル

【詩人の本棚へ寄贈します】

 ◇ 『文学空間』 M・ブランショ

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言葉はけしてそれ自身ではあり得ない
ということを、知るために。


前回話題にした コウルリッジの場合、詩は「有機的統一体」としてあり、素材である言葉は、社会で共有された言わば(外にあるもの)=死んだもの・だが、そこに生気を吹き込むのが、「詩人の想像力」なのであった。

「私が話すとき、私の中で死が話している」と言う ブランショ にとっての「イメージ」とは、「不在の中に現前するもの」である。
ブランショは言う
>すべてが夜の中に消え去った時、『すべてが消え去った』が現れる

そこにあるのは、不在であり、〈死体的現前〉である。
>だがこの時どこでもない場所がすなわちここなのだ。死体的現前は、こことどこでもない場所との間にひとつの関係を確立する

ブ ラ ン シ ョ は読書についても、 「『墓石』 と の 愉 快 で 狂 お し い ダ ンス 」 と表現しているが、コウルリッジの『文学的自叙伝』を読むのはまさにその通りかも知れない(翻訳者が、これは原文で読んだほうがいいかも知れないと書いてる程だ)。翻訳で読んでも面白いのはブランショくらいかも知れない。そんな洒落た逆説に溢れたこの本とは、きっと遠ざかるほど近くなる素敵なダンスを愉しめるのではないだろうか。



# 石村さん更なる御寄贈に感謝します。
# 他のひとは、あまり寄贈する本を持ってないみたいなんでよろしく、です。
# 詩人の本棚らしくなって来るといいなあ。
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