【petit企画の館】/蝶としゃぼん玉[114]
2016 08/11 20:59
ハァモニィベル

 
>>113(渚鳥さん Thanks)
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プチ企画A / (題名から内容を推測想像してみるゲーム)

➡『カフェの休業日』(渚鳥さんのお題)

*(ベルによる推測想像↓)*
 その良心的なカフェは、注文さえすれば一流の紅茶や珈琲をいつでも手軽に飲ませてくれるし、食器も高級。手製のティーコジーは毎回出てくるたびに変化があって歴史や未来への幻想に誘われたりする。ちょっとした料理も本格的である。
 そんな上質なサービスを格安で提供してしまう涙が出るような経営の下手さで、そのため繁盛すればするほど店自体は困窮するばかりだ。

 そういう店というのは、えてして、それに乗じて、頻繁にやってきては珈琲一杯で何時間も居続けて平気な客がいるものだ。くだらない話と店の雰囲気ぶち壊しの雰囲気を漂わすオバサンなどが典型で、店はそんな人に寄生されたりするものである。店主もさすがに、そういう人にもう来ないでくれとはなかなか言えないでいるのだが、そうすると、オバサンそのやさしさに更に便乗して性懲りもなく頻りにやって来て、何度たしなめられても懲りない、といった具合である。

 一方で、零細なその店のよさを惜しんで、援助する気持ちで通ってくれるお客さんもいる。ただ、そういうひとも、気持ちよりも大きな援助はできないもので、そのとても有り難いが、非力な援助だけでは、店はやっていけなくなるのである。せっかくの小さい援助も、店で携帯を充電する図々しいオバサンに、つねにちゃっかり回収されかねないからだ。

 そんなカフェは、じつは営業日が休業日に等しい、
という哀しみをづっと抱えている。

 カフェの名前をいっそ「休業日」にしてしまえ。 と、
 異化した、いや、イカシタ表現をしたりすると、看板を見た人達は、それをそのまま受け取って、ああそうなのね、と通り過ぎていく。たまに洒落を解するひとが立ち止まることがなくはないが、此処では、質のいいそんな村人にしても、そこに籠められた哀しみには残念ながら気づかないようだった。

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これまでのプチ企画は、ここですべて終了です。
新たなプチ企画は、ご自由にどうぞ。


というわけで、
Good-bye.
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