詩ヌマデアイ詩テ[959]
2016 07/25 18:14
ハァモニィベル



アンデルセンは、きっと、
マッチ売りの少女の物語を、読みながら見殺しにした人たちが、
現実にいるマッチ売りの少女から、燐寸を一本でも買うように
なったら喜れしかったでしょう。
(現実の中で「マッチ売り」を見つけ出せるほどの感性の持ち主は少なくて、
  逆に感受性のある者は感受性の乏しい者の乏しさを想定できない、という
  皮肉な所がありますが)

アンデルセンの処女童話が発見されたという記事を以前どこかで読みました。

 主人公の蝋燭は、自分の存在の意味がわからずに悩んでいる。それが、灯りを点されてはじめて
 周囲を照らしだす自分の価値に気がつく、という話だったように記憶しています。

価値あるものほど、自分を知り得ず、自分を探し出すために、それを教えてくれる人に出逢うまで旅をしなければならない。
もし多くの人に会っても、燐寸が一つも売れなければ、天に登るより無い。
そんな事を考えます。



渚鳥さんの>>948の作品
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