2005 09/05 11:27
ピッピ
本木はじめ "八月生まれ"
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=45973
★他県ナンバーの車が次々と行き交うここも誰かの故郷
本当にいい感性と着眼点してるなあ。
ぶっちゃけ、毎月本木さんの短歌は選んでるもんだから、今月はお休み、
とか思ってるけど、無理だもんなあ。うん。
どっちかというと、技巧を凝らしたのより、
こういう、一読で、ああ、となるようなうたのが好き、かな。
汐見ハル "ダディ,Mr.マイダーリン"
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=46237
★大和駅各駅待ちの七分間君が逝かない世界を想う
君が逝かない世界、というのは、単純に君が生きている世界なんだろうか。
それとも、君が死ぬことのない世界なんだろうか。
恐らく、世界を想っちゃってるワケだから後者だと思うんだけど、
こういううたを書くのは見た目以上に難しいことだとおもう。
葛西佑也 "地球儀はやっぱり世界だった。"
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=46717
★サイレンが鳴り止まないのが混沌で空の向こうは今日も混沌
この歌集のなかでこのうただけ異質だと思った。
というのも、なんかこのうただけ妙に暗い。
他のうたも、暗さを孕んでいるといえば否定はできないけど、
この歌い手の場所では今日も微かにサイレンの低い呻きが届いていて、
ああ、あれが混沌なんだ、と感嘆するこのうたは背筋に冷たいものを感じる。
秋 "アポロチョコ、青い月、雫する朝、筒の声。"
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=47588
☆桃色じゃない色のチョコの味だけを感じてしまうと泣く君の声
☆正論を言い聞かせても泣く君は一生アポロを割り続ける君
ああ、こういうふうになってたんだなあ…と今読み返して思った。
最初はくどいほどアポロの歌が繰り返されているのかと思ったけど、
一連のストーリーがあったり、リフレインがあったり、
アポロを通じて、歪んだり、つながったり、というのを、
再読して初めて感じた。遅いか。
以上!