○現代詩フォーラム短歌部○[216]
2005 05/06 13:45
本木はじめ

短歌祭開催中です、、、、本木ですw


いやぁ、夏ですね!(夏じゃないけど)
そんなこんなで、、、、


本木的四月度おすすめ短歌!!!



バカ男さん『ファミリー』
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=35125
 風呂上りの一杯がうまいと言った父は二度と出てこなかった
●「呆気なく過ぎ去っていく春」と落書きされた犬が可哀想に
☆窓がわに座ると僕はいつも子供。また暗い目で外を見てる。

三月より引き続き強烈な視点が展開されています。
風呂上り〜の句切れなしのストレートな畳み掛けが効果的で明るいホームドラマから一転、喪失感あふれる情景が、
父という含みの多い言葉をうまく用いて表されています。

呆気なく〜、「呆気なく過ぎ去っていく春」をそのまませつなく詠むのではなく、犬に落書きされた「呆気なく過ぎ去っていく春」と
詠むことによって、それは実態を伴い、具体的な物が動くことと連動させられとてつもないリアリティを生んでいます。

窓がわ〜、に於いては暗い窓の外ではなく、暗い目が外を見ているということ。影のあるイノセンスが鮮やかに暗示されています。



兎の毒さん『天国』
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=35245
★棘を舌に巻き 電飾つけて遊びましょ 三時のおやつにはちゃんと生き返ってくるのよ
 挟まった 小骨は俺と一緒に燃える どっちも俺の骨として

棘を舌に〜、
この大胆さに圧倒されました。非日常的な行為が、「三時のおやつ」という固定観念の強い約束事から、
当然のように「ちゃんと生き返ってくる」ことを念押しされている。
たとえるまでもなく、この歌は数多くの矛盾を孕む世界を生きている僕たちの平和な戦場を表していると思いました。

挟まった〜、与えるもの。与えられたもの。そう、たとえば誰かに与えた愛はその誰かのものとして、
与えられた愛は自分のものとして、それぞれにいつの日か、昇華されてゆくのです。



ピッピさん『the world without morning』
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=36792
○いつまでも明けない朝を始発から見ていた世界はふくらみすぎた

夜通し遊んだ帰路の途中、始発から見る光景は、一日の始まりとしての朝。
今日というたった一日だけで一体どれだけの物語が生まれるだろう。
果てしない可能性と不可能性の渦巻く一日が今、始まったと同時に既に、
膨らみ過ぎている世界。自分の明けることのない朝とは対照的な。その眩いばかりの光景。
素敵です。


今回は少ない上に雑な書き方ですみません。五月度は感想いっぱい書きます。



ひきつづき、ピッピ部長お願いしまっす!w
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