○現代詩フォーラム短歌部○[168]
2005 04/08 12:57
山田せばすちゃん

えーそりゃ太宰にはやはり激しく思いいれがあるからでしょうよ(恥)
太宰には、いや太宰に限らず作家にはいくつかの側面というか、作品の傾向の推移、変遷というのが確かにあって、10代に「人間失格」から始まって、20代30代は中期の技巧に凝った作品「お伽草紙」とか、短編だと「東京八景」なんかも好きだな、を愛してきた太宰フリークの俺が40代になって見つけたテーマが「死に損ない」だったりした、ということですかね。死に損なって気がつけば妻を娶って四児の父になって、島田紳介がテレビで言ってたけど、「妻と子供と愛人のいるあったかい普通の家庭」まで築いてしまった身としては、そろそろ多摩川上水に愛人と身投げする太宰に非常に近しいものを感じていたりします。

笹公人氏から詠題を借りて
もう僕は死んだと思つて諦めてと、置手紙の日よりゾンビとなりぬ 
親元に連れ帰されたる若ゾンビ腐肉を隠して社長にされり
若ゾンビ社長に漂う腐臭をばオーデコロンにて塗りこめたりし
ゾンビとて妻娶りたるタキシードの奥に腐肉を押し込めつつも
ゾンビにも子は生まれたり嬰児は美しかりき腐肉にあらず
腐肉だと知りつつも身にくちづけを降らしたりけり愛人かなし
ゾンビにも妻子を持つて愛人と暮らす権利を認めてください
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