おすすめ小説スレッド[17]
2004 12/30 22:41
石畑由紀子

山田太一のファンタジー三部作と言われてるらしいですね、
『異人たちとの夏』『飛ぶ夢をしばらく見ない』『遠くの声を捜して』。今でも時々再読します。
あちらとこちらの境目がだんだんと歪んで壊れてゆくさま、主人公がそれをはじめは訝しがりながらも、やがて全身全霊で享受してゆくさま、そこに至る全過程が、もう、たまらないです。愛だぜ、愛。

ちなみに『異人たち〜』は私にとって“原作→映画”の順で触れても唯一不満がなかった作品です。片岡鶴太郎・秋吉久美子が浅草情緒あふれる夫婦(主人公の両親)を好演してました、ハマり役だったと思います。当時(1988年)の特殊メイク技術は……まぁ、どうしても時代を感じさせますが(笑)それ差し引いても、よかったです。脚本家だけあって、文章を書いている時点で映像化を意識していたせいかなとも思ったり。

先に原作に触れてしまうと映画を観た時がっかりすることってありませんか? 活字で展開されていた魅力が映画の中ではしょられていたり、自分が思い描いた像とはげしく差異があったり。そんなこんなで映画を観たくても未だに迷ってるのが多数、特に坂口安吾の『白痴』。んー。(いつの間にか話題が映画スレ用に)
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