映画館ポエム座[62]
2005 01/07 05:38
佐々宝砂

『不思議惑星キン・ザ・ザ』はすごいですね。あんなに変な映画はあまりないと思います。『WAX/蜜蜂テレビの発見』というのが同程度に変だという話を聞いたことがありますが、そちらは未見です。もし見てる人いたら感想きかせてください。

大作高尚は他人に任せて(私は赤貧三流怪奇詩人、クー!)、珍品や小品を紹介します。前回はゲテに近いもの(否、ゲテそのもの?)ばっかだったので、今回はもう少し品のよい小品ふたつ。しょせん私の紹介する映画ですから、観るとしても過大な期待はせずに観ましょうね。なんしろ、最愛の映画が『トレマーズ』です。ケビン・ベーコン好きです。マジメにバカができて、きちんと怖い悪役ができる。『インビジブル』だと悪役振りがまた情けなくて、しかも股間見えてるし(爆)すんばらしい。なんて話をするのではなかった、いつもより品のいい小品紹介です。

『ある日どこかで』Somewhere in Time(1980) アメリカ
故クリストファー・リーブ主演なので、どーしても主人公の男がスーパーマンに見えてしまうのが困りものなのですが、主演女優のジェーン・シーモアが美しくてとってもクラシカル。時間旅行に古典的ロマンスをからめたストーリーは素朴ですが秀逸です。映画「激突!」の原作者であり、恐怖短編の大傑作「男と女から生まれたもの」の作者でもあるリチャード・マシスン原作・脚本。でも怖い映画じゃないです。悲しい映画です。ちょこっと登場する科学者(だと思った)の名前がJ・フィニィ……ってのがSF好きを泣かせます。ってそんなの無関係に、SF好きでない人をまじに泣かせちゃいます。

『タイム・アフター・タイム』(1979)アメリカ
これも時間旅行とロマンスをからめたもの。H・G・ウェルズと切り裂きジャックが対決してしまいます。マルコム・マクダウェルがウェルズを演じているのですが、シャーロック・ホームズみたいな服を着て、メガネかけて、こんなにキュートなマルコムみたことないっ♪というくらいにかわいい(はぁと)。ほんとに『時計仕掛けのオレンジ』演じた人と同一人物でしょうか。エキセントリックなマルコムしか知らない人は、一度みてみましょう。よく考えると恐ろしいストーリーで、スリリングで、でも後味はほんわか幸せという、実に私好みの映画であります。
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