映画館ポエム座[488]
2014 11/11 09:16
平瀬たかのり

『野獣狩り』(1973)
<監督=須川栄三:脚本=松山善三、西沢浩>

これぞハードボイルドエンターテインメント。
伴淳三郎と藤岡弘の親子鷹刑事なんて、もうそれだけで「ビンゴ!」てなもんですわ。シリアスな伴淳、最高です。(若い人は知らないかなぁ。ほんっと名コメディアンであり名優なんですよ)
ファーストシーン、電車の中、ハイセイコーの活躍と小川知子の結婚が書かれた中づり広告を見せるところから、一気に時代に、世界に引き込まれていきます。
何て言うか、ムダがないんだよなあこの映画。ガチッとした骨格に贅肉のない筋肉がついてる、そんな感じ。つまりは人間がきっちり描かれてる。なんでもっと語られることがないんだろう。同じ監督の『野獣死すべし』よりずっと上だと思うんだけどなあ。主演の藤岡さんはこの作品かなり気に入ってるみたいなんですけどね。
一か所、ただ一か所作品上取らなくてもいい命を取ってる気がしまして、そこが傷と言えば傷かなあ。
これが第一カメラマン作という木村大作の撮影、ジャジーな音楽、共にケレン味たっぷりで作品にピッタリ合ってます。
いろんなことを教えてくれる、ボクにとって大事な作品です。
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