ひとりしりとり詩スレ[13]
2004 12/19 04:48
佐々宝砂
マウイから吹く風に
是にあれ非にあれ
荒れた唇はなつかしみ
しみとおる冷たさが
探していたものとは違うと
うといわたしでも気付く
づくづくと崩れゆくわたし
確かめることができない記憶
臆することのなかったあのひと
ひとはひとをとどめ得ない
ナイフで心臓をえぐり取って
手の中に収めておかない限り
ぎりぎりと時計は動く
ごくわずかな望みも
身も蓋もない嘲笑につつまれ
まれびとよ
とよみわたる波音の果て遠い遠い南から
からかいの声浴びてくるひとよ
とよあしはらのちいおあきのみずほの
ほのくらい土にその足を置け