2006 03/27 19:22
佐々宝砂
私はたぶん・・・うつ病の人が「がんばらなくていいんだよ」といわれたとき
ほっとするような感じを、「誤読してもいい」という言葉に感じたのでした。
まあ要するに、誤読しないようにしないようにとしていたら
えらく疲れてしまっていたわけなのです。
吉増剛造さんが、ある映画のワンシーンの意味を悟るまでに十数年かかったという話を
しておられました。そのとき私はやっぱりほっとしました。
誤読は避けられないかもしれないけど、なるべく避けたい。
特に初読のときは誤読しがちだけれど、いつかは誤読しないようになりたい。
もしかしたら十数年どころか数十年かかるかも、だけど。
私は怠惰な人間なのだけれど、ともかく今はそう思っています。
誤読してもいい、という台詞もまた、誤読されるものなのでしょう。
そう考えると危険な台詞なのかもしれません。