雑談スレッド6軒目[606]
2006 03/22 12:25
渦巻二三五

私は、誤読はしたくない、と思う。思っていてもしてしまうけれど。

お互いを認め合うと言いながら、その実、人と関わり合って自分が傷つくのを避けたいだけの口実に金子 みすゞ の「みんなちがってみんないい」を持ち出す人。
たまに帰省すれば歓待され居心地よく数日過ごして、また便利な都会生活にもどって行くのに、「ふるさとは遠きにありて思ふもの」なんて言う人。

…できるだけ自分はそうなりたくないと思っているし、「誤読しても良いんだ」なんて言ってしまうと、なんかとってもひどいことまで許してしまう状況を作ってしまうような気がする。

作者の手を離れてしまったら、それがどう読まれようが仕方のないこと。
「ふるさとは遠きにありて思ふもの」たった一節がこんなふうにちょっと違った意味で使われたおかげで多くの人の口にのぼり、誰でも便利に「郷愁」を表せたのかもしれないし、室生犀星も、「ま、いっか」(笑)って思っているかもしれない。

でも、それは結果の話であって、「誤読しても良い」を前提にしたり、最初から甘えたりするのは怠惰なことだと思う。
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