雑談スレッド6軒目[527]
2006 02/10 22:55
「ま」の字

 今、毎日が重い。スケジュールの破綻をかろうじて回避し続けるだけの状態。チーフであるにもかかわらずスケジュールも作業手順も具体的に見えない。直前になってやっと気付いたり、見落としていたり。考えが甘すぎた。この状態になってやっとろくな引継ぎが無かったことに気付く。時も味方していない。しかし絶対に失敗は許されない。入試選抜業務は。
 胸に異物が入っているような感じが続く。心か体かどっちかがやられるかもしれない。すべてを削り、睡眠を6時間前後確保するのが精一杯。酒も飲みたくない。食欲もあまり無い。寝つきもよくない。先が見えない。あと1ヶ月以上あるのに。

 そしてこのような状態のとき、よりにもよって伊福部昭逝去。「その時には東京に行こう。葬儀に参列しよう」とまで考えていた“そのとき”に、私は今上京どころか弔電一本打つ自由が無い。

 だから無理やり時間を捻出してここに書く。

 「私にとってベートーヴェン級の作曲家だった」と。
 「好きだというのを越えて、何か恩義のようなものを感じている」と。
 「感謝している」と。

 本当に、自分にとってもっとも大きな比重を持つ作曲家だった。大衆性と芸術性を兼ね備えた「いわゆるクラシック」の作曲家は、今の日本では彼が最後かもしれない。

 人気のある人だったが、人によって好みははっきり分かれるという面もある作曲家だった。「古今の貴族趣味の人は武満、万葉なら伊福部」なとど勝手に思っている。どちらも日本だ。 戦中に焼失したと思われていた『吉志舞(きしまい)』という曲を蘇演する際、演奏許諾のため思い切って自宅に電話をかけた。奥様が亡くなる直前だったが、電話口で演奏許可と曲についてのコメントを頂けた。それが私の一生の思い出だ。

 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=53553
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