2004 12/07 00:13
青色銀河団
昔、村で、ある男が、皆の前で大蛇(おろち)の踊りを始めたのだけれど、男がいかに上手く踊ろうとしても大蛇になれる訳ではなく、ただ地面の上で両手両足をそろえのばして、ただくねくね動き回るだけで、砂にまみれ汗や血で埃だらけになり、ただ無心にくねくねと動いていると、初めは周りで皆わいわいと騒いで楽しんでいたのが次第にもうやめろとか気持ちわるいとか言い始め中には石をぶつける者もいたが、それでも男は無心にくねくねと踊り続けていると、夜も明けようとする頃、周りには誰もいなくなったところに、一人の少女が近づいてきて、あなたの踊りにこの花をささげますと言って差し出した花が、森の奥深くに咲く空の青よりもっと澄んだ美しい色の花だったので、男は何故か涙が止まらず、やっと赦されたような気がしたのだった。