古書肆 新月堂[14]
2005 02/11 20:47
佐々宝砂
二月中旬
内村鑑三
風はまだ寒くある
土はまだ堅く凍る
青きは未だ野を飾らない
清きは未だ空に響かない
冬は未だ我等を去らない
彼の威力は今尚ほ我等を圧する
然れども日は
稍々
(
やや
)
長くなつた
温かき風も時には
来
(
きた
)
る
芹は泉のほとりに生えて
魚は時に巣を出て遊ぶ
冬の威力はすでに挫けた
春の到来は遠くはない
#「現代日本詩集」1981二版 新学社
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