生贄合評スレ[306]
2010 05/16 09:25
鵜飼千代子

こんにちは、よろしくお願いします。

「ハミング」なのですが、投稿されている時に読みましたが、「男女の性交」
について書かれているということはわかりましたが、引っかかる部分がありま
せんでした。こちらにURLを貼られてもう一度読んだのですが、同様でした。

今回、黒葉かものさんの批評を読んで、そういうことが書かれているのかと
もう一度読んだのですが、わかりませんでした。

それで、もう一度読んで、どの行が、どの言葉が、作品のどの部分に影響を
与えているのかという、わたしが詩を読むよろこびとは少しズレルことをして
みました。

1、2行目の「私」と「君」は、男女であると考えられますが、話者の性別がわ
からないまま読者は作品に入って行きます。3行目以降、最初の2行とは書き
方が変わって、主語がなくなりますが、「私」と「君」のどちらが男でどちらが女
と捉えたかが、読み手によってまちまちですので、ここで読者は迷うのでしょう。

そこで、1、2行目の「私は」を省いたらどうかと、読んでみました。少しすっき
りしますが、まだわかりません。そこで、連分けしてみます。

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ハミング / rabbitfighter

私はつらいのだと君は言う
私は不幸なのだと君は言う

誰にも顧みられない
愛されない
そうしてうつむいて
早足で通り過ぎていく

経血と精液がベットの上で混ざり合って
喜びが今産まれようとしている
悶えながら
失われてしまう
でも

産まれた瞬間に
天使になるよ
すべてが悲しみに定着して
月の周期に生と死が同期する

耳鳴りにハミングしながら
君は早足で通り過ぎていく

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このように連分けしてみると、圧縮されていた「行間」の部分で読み手が読む
べきものが見えて来ます。

そこで、わたしは「月経中だと見定めた淋しそうな女の子を眺めている、ある
いはナンパしている男子の頭の中で書かれた詩」ではないかと思いました。
「産まれた瞬間に/天使になるよ」というのは、「性交をすることによって男性に
とって天使になる」という意味でしょう。月経中だから、妊娠する心配もないし
というのが「月の周期に生と死が同期する」でしょう。

そこでまた疑問になるのは、本当にこの読みでいいのか、ということです。「読
みが足りない」と指摘されたい気持ちが大きいのですが、わたしが読んだ内容
でいいのであれば、作者はなぜこの詩を「生贄」に持って来たのかが非常に不
可思議です。このように、光を当てられたかったのでしょうか。

「耳鳴りにハミングしながら/君は早足で通り過ぎていく」という気分なのですが、
もっと作者にとって救いのある批評をしてくださる方がいないかなと思います。
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