2013 01/10 12:59
ドクダミ五十号
一引きで切る。出来無い調理人がいる。
のこぎりでもあるまいに何度も包丁を前後させる。
よって素材の切り口はざらざらして好適な舌触りを失う。
勿論、素材によってはそれが良い時もあるが。
然し、技術として使い分けられ無いのはどうだろう。
最近はドライでオープンなキッチンとかが流行りだ。
何処かの食通気取りが述べたかららしい。
当然ながらそう云う店では調理人の包丁使いを、目の当たりに出来る。
食す前に「がっかり」に支配されて早々に勘定を済ませる事になる。
商売としての流行も確かに大切だろうが、技能・技術を疎かに、どうして
客を喜ばせる事が出来るだろう。流しに砥石が見えた。
酷いものだ。表面が湾曲している。これでどうして研げるのだろう。
わたくしが修行時代に、最初にやらされたのは、朝一番に砥石を研ぐ事
だった。「ええ?」と思う方も居るでしょうが、基本なのですよ。
辛いですよ。平坦に砥石の表面を、冬などは整えるのは。
然し、これで包丁を研げば、なぜ?に答えが出ます。
「ああ。鋭利と云うのはこれか」包丁と共に指先まで研いでしまい
親方に「そんな指で板場に入るな」と、怒られもしましたが。