2004 11/20 12:04
佐々宝砂
中学生時代の話。耐寒訓練という名のマラソン練習とゆーかジョギングとゆーかそういうものが毎朝早くにあり、学校の裏手にある山道を走らされた。私は足が遅いので後ろの方を走っていたところ、なぜか足の速い連中が青ざめた顔で戻ってくる。先生に言いに行くーと言いながら走り去ってしまい、なんだかさっぱりわからない。が、ビリに近い順位で走っていた私は、それでもちゃんと折り返し地点まで走らねばなあと思い走った。折り返し地点近くに車が停まっていた。窓に目張りがしてあり、マフラーからホースが伸び、排気ガスが車内に籠もるようにしてあった。中にふたりの男女がいた。もちろんそのふたりは死んでいた。あとで何かいろいろゆーれーとか光とか出るという噂が立った。その「噂」の方が恐怖体験のタイトルにふさわしいのかもしれないが、死んでいたふたりの方が私には怖かった。