RT会議室突発連詩ログ保管庫[54]
2005 06/06 03:22
ベンジャミン

6月6日 AM1:30〜3:10
一行連詩  いとう→ベンジャミン→丘 光平  の巡で

「べっぴんの子猫ちゃん」


空の裂け目を見上げて、何か言いたそうな顔をする
降りてくる小さなささやきに耳をたてながら
少しだけ斜めの帽子、名も無い野花を香らせて

サマルカンドソースはちょっとごめんなさい
アジアンチックがおこのみならば
きっとこの胸の鈴を鳴らすといいわ、りんりんと、りんりんと
そしたらたぶん、気も晴れるの イヤなもの全部、見ないふりして
背筋をのばして歩いてみせるから おいかけてきても振り向かない
ほら、空にピンで留められたあの夏の日、夏の夜
そんなの知らない覚えてない 退屈な思い出よりも 色褪せた夢よりも
目の前をちらちら横切る 偽者の現実が気になるの
もうどうしてよ、どうしてなのよ、そんなの嫌よ、怒っちゃうぞ、ぷん

斜め気味にうつむいて
曖昧な感情に爪をたてても、ちっともリアルは味わえないから
いっそ道の真ん中 ひとりぽつんと 影帽子
楽しさの 似合わないふり 闇帽子
だけど悪戯大好きで、ちょっと優しくされたりすると、隠れてそっと舌をだす
思い出はもういらないわ、ただひとつだけ願いがかなうとしたら
ときどき喉を撫でて欲しいだけ

声をもらしはしないけど、薄眼の視線でおかえしするわ
眠りたいは許さない、りんりん、りんりん、眠らせない
研いでる爪も忘れないでね
だけど遊びに怪我はつきものだから
だけど月夜に涙はつきものだから
凛として ときどきは胸を張って前を見て
大きく開いた瞳に 夜空を縦に浮かべてみせる
つかず 離れず 星の気の向くままに
寂しさの塊はどこかに置き忘れて
柔らかい手のひらで優しさをくるめば
鈴の音りんと 見返り子猫
   
スレッドへ