2005 05/31 22:31
ヤギ
五月最後の日夕食後
一行連詩
麻野梵四郎、ザラメ、ヤギ、の順で
「花を抱えた猿がパスポートを見せろと言われてベソをかいているよ」
白む光のフラリズム
肌に這わせて口ずさむ
背中に濡れた香水の
フレグランスに身は逸れて
仏蘭西帰りのあの娘に似合う
この薔薇折った音を聞かせて
耳は曇天気はそぞろ
思えば全ては絵空事
上って下りる螺旋の回廊
恋と詠んだが我が失策か
香る疑惑を振り払い
素手に掴んだ温い蜜
生まれ損ねた我が世悲しや
歌ってたもれ夏の光に
石畳踏む祈り花束