RT会議室突発連詩ログ保管庫[111]
2006 01/07 04:58
イダヅカマコト

2006年1月7日 午前3:40頃から
クロエ・清水一希・ぐっさん
むしろ連詩の雰囲気を味会うってみて。
6行ずつ、
クロエ→清水一希→ぐっさんの順で



「氷雨に告ぐ」


一月の氷のような雨が降る
雨よ私の体ごとつめたく冷やし給え
その清らかな絶対0度に
あと一歩で雪の造形を成し
結晶を生み出す冷たさという
その位置に私を近づけ給え

尖った雨は触り難かった
血液よ私の心を加速させ止め給え
凍結に近づく寸前の私
私に近づく寸前の凍結
白い世界を唯一人歩むため
その強靭さを私は欲すのみだ

窓の外へつっと伸ばした手のひらで水滴をひしゃげさせるとき
雲の灰色を映して爪先から忍び込む雨水は
ぬるま湯の形で私に親しみながら
心の蔵へ届く
「絶対」は私に擦り寄るなかれ
白い強さに這いつくばるのを見てただ笑っておくれ

わたしの躯を駆けめぐるくれなゐよ
押し出す心の根よ もっとだ
もっと正しく清冽にはたらけ
汚れなき風よ 
乱れた髪をおまえに切られようぞ
その勢いで私に教育し導き給え

私は一つの考える発熱体だ
夕暮れ時に焦げ出す清廉
想定内のひび割れなら放っておく
氷雨よ洗え
汚れきった背筋を流してゆけ
何れ私が透明になる為に

一月の雨は人を貫けぬ氷の角
刺しぬくごとにぞわっと広がる冷気は横に広がっていくばかり
吹かれる風に破られるのは私の頬の産毛たち
薄い膜のように体を覆うのではなく
頬の紅からえぐりとれ、つとつとと降る雨たちよお前は
嵐の前に少しでも澄んだ空気へ近づけておくれ
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