第4回批評祭!!!![21]
2009 11/21 22:26
大村 浩一

 とりあえず書き込みが落ちつきましたが、書ける人は粛々と書いているのだ
ろうなァ、とワタシは思っております。(笑)

 以前にどこかでレスをつけて、相手からものすごく驚かれてしまった事があ
りましたが。
 批評祭自体の話とは違うとは思うのですが(でも書くよ)、作品自体に関す
る会話が、現フォはもう少しオープンにあっても良いように私は思えます。
 SNSと言う場の雰囲気としては、今ぐらいでもまぁ良いのかな、とも思い
ますが。今のここいらの会話のレベルは、価値観のスレ違い的変な大喧嘩のほ
かには、壁打ちの球が少し逸れた時に挨拶が交されている程度って感じですね。
大半は黙々と壁打ち。自分が好きで書いているんだから、と言われたらそれま
でなんですが。私には何か釈然としない。淋しくないのかなと。
 その影響か、最近は詩誌でもここの人を見かけなくなった気がする。縫ミチ
ヨさん位だよね。ここで先端的な詩を試みる人が減ってきたような気がします。
反響が無ければやる気も出なくなるわな、そりゃあ。
 批評祭はここでの詩論のフラッグシップ的な特集イベントだと思うので(だ
から感想祭とかではワタシは物足りない)、それはそれで頑張らなアカンと思
うのですが。ここの書き手の多くが本当に欲しいのは、無言の★印と本格的な
批評の中間にある、創作の現場的な(ある面やや余計なお世話的な)色々な会
話だとワタシは思っております。
 その意味ではもうちょっとアレコレ話が盛りあがっても良いとも思ったんで
すが、まあコレはコレで。

 少しは自分の足しになるかと思い、本棚で死蔵していた「現代批評理論のす
べて」(大橋洋一・編、新書館)を今更引っ張り出して読んでいます。
 こんな付け焼き刃で1月までにどうにかなるとは思っていませんが、世界で
批評や思想の流れがどうなってるのか、概観だけでも知るのは悪くないなと思
って。
 この本で取り上げられてる中で私が一番興味深かったのは「クィア批評(3)」
で取り上げられた、エルトン・ジョンの「Your Song」の歌詞に対する批評で。
クィア批評はこの歌詞の中に、同性愛者に対する呼び掛けと応援を見出します。
暗黙の前提となっているものを批評が覆した時に、詩に潜んだものが鮮やかに
析出してくるのを見るのは壮観です。またこういう現代思想が背景にあるから、
コミックモーニングで「きのう何食べた?」と「シマシマ」が連載されるのだ
なァ、とかワタシは思ったり。(しかし巻頭が、今では保守的女性観のカタマ
リ島耕作ではなー)

 あと裁断批評などの新批評(新といっても1930年代、T.S.エリオットの時代)
が「作品の精読」を当たり前の前提にしていたというのは考えさせられました。
作品と作者を切り離し、発生論や道徳的効果を排除して考えるのが新批評の立
場なのですが、批評の実施に際しては、詩の歴史的背景や作者の伝記的事実を
学ぶのはむしろ当然のステップである(そうしないと誤読ばっかりする)とさ
れていたというのは、この批評技法を歪めて運用しがちなネット上の批評を思
う時、教訓を示しているように感じました。

 まあそんなに高度な事が自分に出来るとは夢にも思っちゃいませんが。この
機会にもっとここの詩と詩人を改めて知りたい、とワタシは思っております。
ではでは。
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