批評しましょ[59]
08/09 18:27
石川和広

>>54 ご意見拝聴。

一番絞りさん、あなたの状況把握は、ある程度、妥当なものに思われる。

ボルカさんとのことも、私が見ても、そう思う。

ただ、私がわからないのは、<予定調和 という言葉の意味です。

私は、言い方は、混乱していたけれども、同じ穴の狢、といった。
私が気になったのは、彼らの、天皇制議論や、(それに端をほっした)批評論争が、見事なまでに、五十五年体制式の、懐かしの二項対立にしか、見えなかったことだ。
まさに、それが、予定調和的なのだ。
 私は、彼らが、これから、関係修復するかどうか、あまり関心は無い。
 異質な意見を持ったものが、本質的に対立することが、ちがいを確かめ合うことが、議論だと私は考える。

 ひとつ言いたいのは、悪い部分を、指摘しあうだけでなく、いいところは、ちゃんと褒めることも、批評の力だと思う。
 日本の映画批評を確立した淀川長治は、どんな悪い映画でも、いい所は、ひとつあるから、そこから批評を始めるといっていた。
 その点から、あなたの愛という言葉には、理があると思う。感情や印象も、深いところで、何らかの論理、その人なりのものの掴み方があるからね。

 あと、ひとつ、谷川は、あまり本質的な批判者をもたないから、あなたの詩には、理があると感じるが、谷川がある種の権威から、デビューしたのは、事実だとしても、谷川が
あの当時、独力で、書いたことは間違いないし、その孤独の深さは、やはり心打つものだったと思う。
 
 世間知ラズは、ぼくの買った初めての詩集だった。あれが、朔太郎賞を取ったことを、
あなたは、書いているのかもしれないが、谷川の、孤独は、お坊ちゃんならではの、孤独は、朔太郎に匹敵すると思う。しかし、ぼくだって谷川の嫌いな詩だって、たくさんあるからな。
 ただ、あの詩集の始まりが、父の死の影から逃れられない谷川の、裸の情けなさと、不安だったことはいっておきたい。まさしく見苦しさをまた、文にしてしまうかっこ悪さ。
これも文学だと私は感じる。

 
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