批評しましょ[243]
2004 09/13 00:36
がらんどう

田代さんの読みからいくと、この語り手は「男」と読んだ方が自然な気がします。
オヤジの価値観に同化した女ではなくて。
田代さんが書くように
>(このさい上司が男で部下が女とは限らない)
わけではありますが。

>すなわちこの語り手は公的場に私的価値観を持ち込んで悦に入っている

これは「自分の女」を選別する目線ですよね。
見えないチャームポイントが、目に見えるものに優先するというのは。
「公的な選別の基準はわかってるけど、俺の好みじゃないなあ」
という感じではないですか。
「彼女にするんなら性格もよくないと」

>調べたりするもんじゃないだろう

つまりは、他人から評価されるもんだろう、という。
それは「モデルとしての商品価値」を評価されるのと同時に、
「女としての商品価値」を買い手である「男」に評価されることである。
で、その買い手である男っていうのは、つねに主観的な俺であるわけで、
公的な基準がどうあろうと、オレ流なわけです。
「選ぶのはあくまで俺なんだから、俺の好みも内面も知らないお前が調べたりすることは出来ないだろ」と。
(当然、公的な選別の基準にもとづくチャームポイントは調べることが出来る、というのを踏まえた上で)

>モデルちゃんたちが帰ると
>みんなで話し合う

にしたって、
「お前はどの女が好みよ?」「ヤルだけなら3番すね」的な、
それこそ私的な方向での話し合いも同時に行われていることでしょう。

そういう方向で
>「お前のチャームポイントはどこだろう?」
>不意に話しかけてくる上司の声に、
>「見えないところにあるんですよ」
>と笑って答えてみた

>上司も笑った
を読んでみると、
これは「女もまた男を選別する」「男も商品である」という当たり前の事実が可笑しかったんですよね。
それが当たり前ではない公的な選別の場が前景に再び現れることによって。
「そりゃ、俺の商品価値は<みえないところ>にしかございませんが、ここはそういう場ではないでござんしょ」と。
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