夢を見たら書き込むスレ2[580]
2009 11/04 00:04
佐々宝砂

谷川俊太郎訳のマザーグースの七巻目を読んだ(これは夢の話であって、現実には谷川訳のマザーグースの七巻目など存在しない)。そこにはなんだかキタナイ韻を踏んだ詩と、クリスマスキャロル(ディケンズのね)の真相という散文がのっていた。

ご存じ「クリスマスキャロル」のスクルージ老人は、幽霊となったマーレイの訪問を受ける。マーレイは、自分は殺されたのだという。誰に殺されたかとの質問に彼は答えないで、ただ地獄の業火を見せて去る。それから現代のクリスマスの精がくる。彼はスクルージが無惨に殺されるシーンを見せる。スクルージをぎたぎたに切り裂くナイフ。そのナイフを持つ人間の姿は見えない。見えるのはナイフと切り刻まれるスクルージばかり。そして三番目の精霊がやってくる。彼はスクルージに小さな墓を見せる。その墓におとなう男の姿をみせる。あっ、とスクルージは気付く。その男はスクルージの配下で働くボブ・クラチット。そして墓に刻まれた名はボブの息子ティムの名だ。

スクルージは理解する。マーレイを殺したのはボブであり、自分をやがて殺すのもボブであり、ボブの息子ティムを殺すのは自分自身であることを。そして運命は変わらないということを。
スレッドへ