nothingness
はらだまさる

消え失せろ、天井に
君の言葉、真昼の倦怠感、ポートレイト、
灰皿からたち昇る煙り、サンダルウッドの芳香、
明滅する蛍光灯、俺の声、


涙は強いられるものではないけれど
俺たちは離乳食よろしく、フード・プロセッサにかけられた
勅旨を、痛みを、喜びを泣くだけだ
中国製のスピーカーからぶんぶんと蠅が
何匹も飛んできて悪魔の声で笑う、
幸せそうな鼻先で


君が柔らかさで絞めつけた純粋から
恥ずかしそうに白く濁った断続的、部分的な文字が泳ぎ、溢れ
永遠に集約され、頭上には月が幾つも昇る


美しさが、綺麗であることに疲れるように
君の、息が詰まる







自由詩 nothingness Copyright はらだまさる 2007-01-06 12:10:42
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