あたらしい年に
大覚アキラ

あなたの その 透き通った瞳の奥の
けっして揺らぐことのない 美しい信念の
まっさらで 汚れのない 鏡のような水面に
しずかに落ちる 一滴のしずくから 広がってゆく
ていねいに 塗り重ねられた 幾重もの波紋

おしえてください 日々の生活に 倦み疲れた わたしに
めくるめくような 心のざわめきを
できごごろで結ばれた 身体と身体の あいだを
とっくの昔に 忘れていた 鮮やかな感情が
うなりを上げながら 突き抜けてゆく

ごらんなさい しっかりと 刻み付けるように
ざわめきが 深い森の奥から 巻き起こって
いままさに わたしたちを 遠くへ連れ去ろうとしている
まぶたの裏側の聖域だけが 安全地帯なのだとしたら
すぐに 後を追うから どうか そこで 待っていて


自由詩 あたらしい年に Copyright 大覚アキラ 2007-01-05 12:02:07
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