山の中の湖
ぽえむ君
山の中の湖は
冬の空を見上げていた
晴れた空は気持ちいい
葉の落ちた周囲の桜は
寂しいけれど
光がその分入ってくるので
むしろその方が都合がよい
うんと背伸びをする
湖面が揺れる
どうやら今日は寝過ごしたようだ
近くの寺から
昼を告げる鐘が鳴る
すでにこんな時間かと
ちょっと慌ててしまう
いつもの老人はベンチに座っているけど
散歩の犬はとっくにいない
晴れた空は気持ちがいいが
なぜか寂しくなった
もう一度だけ
湖面を揺らしてみる
自由詩
山の中の湖
Copyright
ぽえむ君
2007-01-03 15:44:40
縦